皆様

 

いつも投稿を確認いただきまして誠に有難うございます。

【今回の投稿は、現時点での情報に基づく解釈となりますので、今後の税制改正内容によっては、記載内容と改正内容が異なる可能性がある点にご注意ください。】

2020年度税制大綱について、海外不動産に関する減価償却による節税について、下記のようなニュースが出ております。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52626690W9A121C1MM8000/

耐用年数を簡便法で見積もり、短期間の償却年数を設定することで、計算上の損である減価償却費を多額に計上することができます。

その結果、不動産所得をマイナスにして、給与所得などと損益通算をすることで節税を行うことができるのですが、この減価償却を用いた損金計上による節税を防止するための改正となります。

 

具体的には、海外不動産の減価償却による損失分については、損益通算の対象外にすることにより、過去に取得した物件であっても、今後の減価償却費を節税に利用できないようにする改正になると思われます。

また適用にあたっては令和3年度以降の申告から対象となるようなので、令和1年、2年については、まだ節税施策として利用できるようです。

ただし木造の物件については、最短でも4年償却となるため、平成29年1月以前に購入した方は、節税効果をすべて受けることができますが、それ以降に購入した方は、減価償却による節税効果が一部しか受けられないということになってしまいます。

 

なお見直し案としては「見積もり法であってもその見積もり年数が適切であることを証する一定の書類の添付がない場合は、本見直し案の対象とする。」という注釈がつく可能性があるため、簡便法によらずに、適切な耐用年数を見積もったうえで、経済的耐用年数が短い建物についてそのことを証明できる資料がある場合には、短い償却期間を選択できる余地が残るのかもしれません。

いずれにしても、来月の税制大綱発表があった際には、改めて解説したいと思います。

 

よろしくお願いいたします。

 

松石